トピックス(2007年)

新潟県中越沖地震の調査・分析

震度6強が観測された2007年新潟県中越沖地震では、地震動特性と構造物や地盤の被害との関係の解明を目的として、現地被害調査(写真)と観測波形の分析を実施しました。震源近傍のK-NET柏崎(防災科研)では、サイクリックモビリティを示唆する観測波形が得られ注目されました。図は当社の保有技術である有効応力解析によるシミュレーション結果であり、定性的には観測波形の再現に成功しています。

コラム

断層モデルによる広帯域強震動の予測に関するミニセミナーを開催

1995年の兵庫県南部地震を契機に、構造物の耐震設計に用いる入力地震動として、断層モデルによる予測地震動も考慮する事例が増えてきました。断層モデルによる広帯域強震動の予測の方法については、これまでも、各種のシンポジウムやセミナーが開催され、その概要は、かなり、一般に知られるところとなっています。一方、実際の入力地震動の策定を担当されている実務者にとっては、概要だけではなく、具体的な個々の事例でのパラメータの設定方法、強震動予測の基本的な考え方や学術的背景、さらに適用限界については、十分に共通の認識が広まっているとはいえません。そこで、このような状況を、実務的にも、研究的にも、少しでも,前進させることを目的に、8月に27名、9月に25名の計52名の実務者をお招きして、断層モデルによる広帯域強震動の予測に関するミニセミナーを開催いたしました。

「アスペリティモデルの力学特性に基づく広帯域強震動の再現と予測に関する研究」で日本建築学会賞(論文)を受賞

壇 一男

これまで、皆様とコツコツ積み上げてきた研究成果が、日本建築学会で高い評価をいただいたことは、たいへんな名誉であるとともに、研究者としては、これにまさる喜びはないと感じています。また、大崎総合研究所の同期で、現在、京都大学にいらっしゃる林康裕教授も受賞され、二重の喜びであります。

これからも所員一同、すぐれた研究をめざして地道ではあるものの確実な活動をすすめていきたいと思いますので、皆様のご指導、ご鞭撻をお願いいたします。