トピックス(2015年)

IAEA訪問と地震ハザードに関する国際ワークショップにて発表

2015年11月18日から3日間にわたり、原子力発電所施設の地震ハザード評価のための断層破壊モデルをテーマとした国際ワークショップが国際原子力機関(IAEA)、 日本原子力規制委員会(NRA)等の共同主催により、オーストリアの首都ウィーンのIAEA本部で開催されました。 ワークショップには各国の規制当局者をはじめ、第一線で活躍している研究者、 技術者が多数出席し、活発な討議が行われました。同ワークショップには弊社からも研究員を派遣し、安全研究成果2編の発表を行いました。 また、ワークショップに向けてIAEAから発刊された「断層破壊モデルを用いた地震動シミュレーション」に関するSafety Report*)の 執筆者の一人であり招待講演者でもある弊社の壇一男リサーチフェローによるSafety Reportの概要紹介もワークショップ冒頭に実施されました。 なお、主催者側のIAEA事務局の福島美光氏は弊社のOBであり、2011年の東日本大震災による福島第一原子力発電所事故直前にIAEAに着任し、 現在はSenior Nuclear Safety Officerとして国際的に活躍されております。

*)題名はGround Motion Simulation Based on Fault Rupture Modelling for Seismic Hazard Assessment in Site Evaluation for Nuclear Installations.

Pitarka博士の講演会を開催

2015年10月6日に米国のローレンス・リバモア国立研究所のArben Pitarka博士をお招きして、 「A hybrid broadband ground motion simulation method」と題した講演会を開催しました。 米国で主流となっている、断層破壊の不均質性を考慮する断層モデル化手法を同博士は精力的に研究されています。 この断層モデルを用いた米国の最新の広帯域な地震動予測や、日本の特性化震源モデルとの地震動評価結果の相違等について ご講演して頂き、博士と意見交換しました。

活断層巡検

2015年9月末から10月初めにかけて、東京理科大学北村研究室と合同で長野県白馬村において2014年11月長野県北部地震の調査および地震断層の観察を行いました。
調査は、地震による建物被害が大きかった田頭地区の地盤特性の解明を目的に、田頭地区とK-NET白馬の複数地点で常時微動計測を行いました。
断層観察は、白馬村北東の塩島地区から地表断層に沿って白馬駅南方まで、地盤変動の状況を確認しました。地震発生から約1年経過していましたが、 地震による地表変形や地すべりが確認できる箇所がみられました。
調査中、仮設住宅がいくつか見受けられました。今回の調査を通じて、地震被害に遭われる方を少しでも減らせる様、より一層努めなければならないことを再認識致しました。