トピックス(2010年)

和泉イブニングセミナー

2010年11月5日、西川孝夫先生(東京都立大学名誉教授、首都大学東京名誉教授)と古村孝志先生(東京大学教授)のお二人を講師としてお招きして、「巨大地震と長周期地震動」をテーマに第23回の和泉イブニングセミナーを開催いたしました。
西川先生からは、「耐震設計への課題」と題して、海溝型巨大地震による長周期地震動が高層建物や免震建物に対して及ぼす影響に関して、学協会でのこれまでの取り組みを紹介していただくとともに、設計用地震動の考え方や長周期地震動への対策、さらには今後の課題に関して、国や学会での最新の動向も交えてご講演していただきました。
続いて、古村先生からは、「東海・東南海・南海地震で想定される長周期地震動とその予測」と題して、観測記録からわかる長周期地震動の発生の様子や、東海・東南海・南海地震が連動した場合の地震動と津波のシミュレーション結果を、アニメーションを交えてわかりやすく紹介していただき、また長周期地震動の予測精度を向上させるために残された課題についても言及していただきました。

コラム

活断層巡検

3年目を迎えた活断層巡検ですが、2010年は地質調査の専門家をお招きし、鹿児島県において、火山活動による地形観察を中心とした巡検を行いました。今回の巡検の目的は、活断層の年代特定において鍵層となるテフラ(火山噴出物)の視察で、桜島を含む鹿児島地溝における火山活動によって形成された地形・地層の視察、および火山の周辺に存在する断層の視察を行いました。巡検においては、テフラの学習に止まらず、九州地方の特異なプレートテクトニクスから、プレート運動と火山フロントの分布との関係や、プレート沈み込み帯と火山の発生との関係、九州の火山活動と地質構造との関係など多岐に渡る学習と議論を行い、火山と地震との切り離せない関係についても、知見を深めることができました。