コラム

四国の断層巡検

2009年、大崎総合研究所の研究員は、地質調査の専門家に同行をお願いし、中央構造線に沿って四国の断層巡検を行いました。八幡浜市大島では、深さ10km~15kmくらいで地震による摩擦熱によって断層面に沿う岩石が溶け、それが急に冷えてできたシュードタキライトを見て触ってきました。砥部衝上(とべしょうじょう)断層の露頭では、1500万年前(新第三紀)にできた久万(くま)層群の上に、7000万年前(白亜紀末)にできた和泉層群があり、そしてその間の断層面に、1200万年前に貫入した安山岩を観察しました。この他に伊予断層、岡村断層、池田断層、三野(みの)断層、芝生衝上(しぼうしょうじょう)断層などを巡りました。いずれも断層運動のエネルギーの大きさを感じ、断層と言っても様々であることを改めて感じました。地形や露頭の観察を通じて、地形変動や断層形成の過程、断層の見分け方について、議論し、学習しました。日常、活断層マップや地質図を見ながら、断層をモデル化して地震動を計算しています。今回の巡検を生かし、実際に何が起こっているのかを考えながら、地震動に取り組んでいきたいと思います。